
輸出とは、自国の産物や技術などを外国に向けて送り出すことをいいます。
この定義からすると、日本国内で物やデータを売ったり渡したりするだけであれば、輸出には当たらないようにも思えます。
しかし、実際にはそう単純ではありません。
日本国内であっても、外国人に対して物や技術データを提供する行為が、輸出規制の対象となる場合があります。
国は、日本国内の居住者から非居住者への技術提供について、当該非居住者が将来的に出国する可能性が高いことを踏まえ、「輸出とみなして」管理しています。
これがいわゆる「みなし輸出」の考え方です。
つまり、外国人従業員への技術提供であっても、一定の場合には規制対象となり得るのです。
本コラムでは、「みなし輸出とは何か」「どのような場合に対象となるのか」といった点について、分かりやすく解説していきます。
- みなし輸出とは
- 対象となるケース
- 企業が取るべき対応
- みなし輸出に当たる場合には
1. みなし輸出とは
輸出規制は「貨物」だけでなく「技術」にも及びます。
外国に技術を提供する行為だけでなく、
日本国内であっても外国人に規制技術を提供する行為が輸出と“みなされる”場合があります。
これが「みなし輸出」です。
国際的に人を介した機微技術流出懸念が増大する中、従来のみなし輸出管理では特定国の
影響下にある居住者が機微技術流出に関与するリスクに十分に対応できていないとの指摘から本制度が設けられました。
2. 対象となるケース
みなし輸出管理の対象になるかどうかは、居住者への技術提供であっても、雇用契約や経済的利益等に基づき
外国政府や外国法人(非居住者)の強い影響を受けている状態(特定類型)に該当するか否かで判断されます。
特定類型は、下記の3つです。
- 雇用契約等の契約に基づき、外国政府等・外国法人等の支配下にある者
- 経済的利益に基づき、外国政府等の実質的な支配下にある者
- 国内において外国政府等の指示の下で行動する者
具体的には、以下のような場合は注意が必要です。
- 外国籍社員への設計図面の開示
- 海外親会社からの出向者への技術説明
- 留学生インターンへの研究データ提供
- 外国企業からの受託開発での技術共有
単に国籍だけで判断されるものではありませんが、
実質的に外国への技術移転と同視できるかどうかがポイントです。
3. 企業が取るべき対応
- 技術の該非判定
- 外国人従業員の管理区分整理
- 情報アクセス制限
- 社内規程整備
- 記録保存
みなし輸出は、「知らなかった」では済まされません。
体制整備が重要です。
4. みなし輸出に当たる場合には
みなし輸出に当たる場合には、外国為替及び外国貿易法(外為法)による輸出許可申請・役務取引許可申請が必要です。
役務取引許可申請は、輸出許可申請よりもやや難易度が高い手続きとなります。
申請はご自身でおこなうこともできますが、初めての方には大変難しいお手続きとなりますので、かなりの時間を要してしまうことになるでしょう。
輸出ビジネスでは、許可が下りるタイミングが取引成否を左右する場面もあります。
そのため、手続きを迅速かつ正確に進めるには、輸出許可申請・役務取引許可申請に精通した行政書士に委任することが有効な選択肢となります。
輸出許可申請はROMEO行政書士事務所にお任せください!
ROMEO行政書士事務所では、外為法に基づく個別輸出許可および役務取引許可に関する手続きをサポートしております。
すでに具体的な取引が決まっている場合はもちろん、
「まだ取引は決まっていないが、将来的に輸出ビジネスを検討している」という段階でも、どうぞお気軽にご相談ください。
