【スタッフブログ】福岡高裁・託送料金訴訟判決を読んで


2026年2月23日

判決文

こんにちは。
ROMEO行政書士事務所です。

ホームページで小売電気事業に関するケーススタディを作成しようと思い、福岡高裁の「託送料金認可取消請求事件」(福岡高判令和7年2月26日)の判決をじっくり読んでみました。

実務の参考にするために読み始めたのですが、想像以上に読み応えのある、とても良い判決でした。

文章の構成、法的論理の積み上げ方、制度理解の正確さ、そして法の趣旨や政策的背景まで丁寧に踏まえた分析。
行政事件訴訟における裁判所の思考過程が、非常に明瞭に示されています。

行政訴訟のハードルの高さ

今回訴えを起こしたのは、自然エネルギーによる発電や社員向けの電力供給を行っている小売電気事業者、グリーンコープです。

送配電とは直接関係のない費用まで託送料金に含めるのは妥当なのか――
という問題提起は、とても真っ当で重要なテーマだと思います。

ただ、行政訴訟は簡単ではありません。

法律の条文だけでなく、
制度の設計趣旨、
政策的判断、
行政の裁量の範囲など、
さまざまな要素が絡みます。

結果として控訴は棄却されましたが、それでもこの裁判は非常に意義のある挑戦だったと感じました。
判決としても、今後の議論の土台になる内容だと思います。

合議体の判決という点にも注目

本件は福岡高裁の合議体による判決です。
判決文の最後には裁判官3名の名前が並んでいます。

裁判長に目が行きがちですが、実務上は左陪席の裁判官が原案を書くことが多いと言われています。
本件では、判決文の一番下に記載されている山下隼人裁判官が左陪席ではないかと推測されます。

山下隼人裁判官のお名前は今回初めて拝見しましたが、少し調べてみると、評価の高い判決を複数担当されているようです。
今後も注目していきたい裁判官のお一人です。

ぜひ読んでみてほしい判決

行政訴訟の難しさ、
エネルギー政策と司法審査の距離感、
「適正な原価」という文言の射程。

電力分野に関わる方はもちろん、行政法に関心のある方にもぜひ読んでいただきたい判決です。

判決文そのものが、制度理解の良い教材になっています。

ケーススタディもぜひご覧ください

今回の判決をもとに、ホームページでケーススタディを作成しました。

「託送料金の原価とは何か」
「公益的課題とはどういう意味か」
「小売電気事業者にどのような影響があるのか」

といった点を、できるだけ分かりやすく整理しています。

電力事業に関わる方はもちろん、行政法に関心のある方にも、きっと参考になる内容です。

ぜひケーススタディもあわせてご覧ください。


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